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環境問題


はじめに(OAAのみんなへ。)


「何故、今日私たちは改めて環境について学ばなければならないのか?」

地球が誕生して46億年余り。今、世界レベルで環境問題が叫ばれている。
しかし、実際どれだけの環境問題について理解しているのか。
その事を学ぶためにこうやって私たちはミーティングの貴重な時間を割いて議論し、実践している。

だが、どれだけの人間がこのことに関して目的意識を持って参加しているのか。
今、必要なのは上辺の知識知る上での物事の真意(上記の「何故、~」という事)について考えなければ
ならないのではないだろうか。知識向上も大切な要素だが、それと同時に真意を考えなければならないのも
大切な要素だ。

はっきり言って、目的意識を持たぬままこの環境問題について考えるのは
正直な所時間の無駄である。それならまだサマーや、OAAとは何かや、何故OAAに所属しているのか
について議論している方がマシである。

今まで興味のなかった事に関して急に興味を持つのは困難だが、
せめて上記の「何故、今日私たちは改めて環境について学ばなければならないのか?」という事は
常に頭に置いて考えて欲しいものである。


Ⅰ:主な環境問題と世間の実情

今日、私たちの年代層は環境問題についての知識を持っている人間も少なくない。
例えば、炭酸ガスの増大による地球温暖化の危機、熱帯林の大破壊、フロンによるオゾン層の破壊に酸性雨・・・。
挙げていけばキリが無い程だ。しかしながら実際、これら環境危機を心配し、
更に積極的な関心を向けている人間は果たして如何ほど居るのであろうか。
恐らくそこまで考えている人間は少ないだろう。
そこで、今回はその環境危機に関心を持ち、これから後世(我々よりも若い年代。
つまり、サマーやジュニアに来てくれる子たちやね。)にこの事を伝えていかなければならない幾つかの課題を
認識してもらうべく、先ず今回は「穀物の生産」、「環境改革」この2点から環境について学んでいこうと思う。


Ⅱ:まだまだ安泰なのか。~穀物生産は今~

世間の大前提として「物事には限界がある。」と言う事がいえる。
人間の寿命も然り。また、穀物についても同じ事が言えるだろう。
1996年のデータだが、世界の人口は58億人台に達している。
資料によると、世界の年間穀物総生産はここ数年の平均で19億トンほどだそうだ。
割り算で一人当りの量を出してみると、一人当り穀物は330キロ。
それをまた、一日あたりに直すとすると一人当り900グラム/日である。
900グラムと言われてもパッと想像はつかないだろうが簡単に例えると、大き目のおにぎり15個分である。
そんなにも一日に食えるか!!と言いたくなる数字だが、これは飽くまで平均値の話。
豊かな国では一人当り毎年数百キロもの穀物を食べるが、貧しい国ではそうはいかないのである。
上に平均値を書いたが、平均値だけを見れば穀物はかなり安泰なイメージを受ける。
穀物に限界が来るのもまだまだ先の話なんじゃないか?と思ってしまうのも無理は無い。
では、そのまだまだ先っていつ頃なのだろうか。
世界規模で天候不順があれば近いうちにも限界は来てしまうだろうが、
それはこの際関係ないものとして(実際起こるかわからないし。)現在の人口増加率でいけば、
人口が今の2倍になるのは40~50年程先だ。その間に穀物生産が増加しなかったとしても、
一人当りの穀物は一日平均おにぎり7.5個分となり、なお平和に暮らせる事ができるかもしれない。
実際に耕地も増え、農業技術も向上して、穀物生産増に繋がっている。
この先人口増加率を上回る率で穀物生産が増加する可能性だってある。

少し話が逸れるが、そもそも地球の表面積は5億1000万平方キロメートルもある。
陸地はその約3割なので1億5000万平方キロメートルということになる。
これを現在の人口で割れば一人当り2.63ヘクタール(100メートル四方のグラウンド2.6個分)もある計算になる。
これを良好な耕地にすれば現在の10倍~20倍の人口(500億人~1000億人くらい)だって支えられる
かも知れない。そう聞くと限界なんてずっとずっと先だと思うのも無理も無い。
しかし本当にそんな楽観的な考えでいいだろうか?
実際世界では、1980年代にアメリカで熱波が襲い、その影響で穀物生産は頭打ちの状態になっている。
また、耕地面積や灌漑面積の拡大、化学肥料の投入も頭打ちで穀物生産の大幅増加は難しい状態にある。
この頭打ちの事実に関してはアメリカだけでなく、世界全体に言える事である。
また、そもそも地表の大半は森林や砂漠や荒地であり、耕地に出来る部分は一部に過ぎないのも事実である。
それでも耕地を増やすために森林を大規模に破壊してしまうと大気のガスバランスが崩れ、
水の循環や、生物資源の将来に甚大な被害が生じるだろう。
なので、仕方なく今のままの土地利用でも、温暖化による気候変動で、
穀物生産の大撹乱が起こるかもしれないのである。

とまぁ、ここまで書いてきた事で穀物生産の現実はある程度分かったと思う。
それでも、まだ穀物は安泰だと思えますか?


Ⅲ:環境革命の時代へ

産業文明の中で、倍々型の増加を示すのは人口だけと思われがちだが、そういう訳でもない。
人口が倍増した1950年から90年までの間に、世界の穀物生産や水産物の水揚げ、工業生産高も、
人口より概ね速い速度で増加した。直線型増加に近い木材の生産量も、この間に増加した。
アルミニウム、銅、亜鉛などの主要鉱物、石油、石炭、天然ガス、原子力を総合したエネルギー利用量、
そして炭酸ガスの排出量なども、人口を上回る速度で増大した。
そんな倍々増加は果たしてどこまで続くのだろうか。

生物資源に関する分野では、倍々増加は終焉の気配がある。
実際にここ10年程を見ると、世界の穀物生産量は横ばいで(この事はさっき少し触れたよね?)、
最近はやや減少傾向も見せている。
強引な増産を試みれば土壌劣化や土壌流出など、生産基盤そのものが危ぶまれてしまう。
水産物の水揚げ量も一部で予想されていた限界の水準の1億トンに達し、一人当りの換算量も既に横ばい状態だ。
強引に漁獲量を増やそうとすれば資源の大規模な崩壊を招く危険性がある。
熱帯林に至っても森林資源の急激な減少が深刻な憂慮の対象となっているのは有名な話だ。
生物資源とは対照的に、化石燃料や鉱物は消費拡大への環境制約が問題だ。
採掘可能な地下資源の量は技術進歩で増大するが、採掘や消費に伴う土地利用や汚染、
気候変動など生活環境への撹乱効果が深刻だ。
炭酸ガス放出量の増大は温暖化や気候変動を引き起こし、農業生産、生態系の各種機能、洪水、旱魃、
寒冷などに深刻な影響を及ぼすとの危惧が代表的な事例だろう。
<生物多様性条約>と並んで地球サミットで合意された<気候変動枠組条約>はそんな危惧を重視して
締結された条約だ。中には「温室効果ガスの人為的排出を抑制し、温室効果ガスの吸収源と貯蔵源を保護し、
強化すること」という内容も盛り込まれている。

工業生産物も似たような事情を持っている。
便利な自動車も排気ガス量の増大ゆえに、地球規模の生産制限が必要になるかもしれない。
人工化合物の大量生産・大量消費も、オゾン層を破壊するフロンガスのように、
地球環境への影響を配慮した規制を受け始めている。

生産基盤や資源量の制約や、環境破壊の危惧によって、私たちの産業文明の生産・消費・廃棄の規模は、
様々な分野で限界に近づき、倍々増加の様式自体根本的な変化に直面している。
また、そこに人口の動向が絡んでいるのは言うまでも無い。

私たちがたった今、この瞬間に個人の物質的な生活規模の平等と不拡大を原則とする
新しい文明(つまり倍々増加ではなく、横ばいの状態で続いていく文明。)に転換しても、
40年単位の人口増が続けば、数十年から百年で地球の資源・環境制約に直面し、
大転換を余儀なくされる。つまり、小手先の生ぬるい転換よりもはっきりとした大転換が必要な時期が
今目の前に来ているのである。
幸いにも、様々な要因から人口増加は減速し始めている。
一人当りの穀物生産や漁獲量にも停滞、あるいは減少の兆しが見えている。
まだ不十分とは言え、数十年単位に倍増を目指し、登りつめた各種産業文明も21世紀を目前に
持続可能な社会へと向う大転換(=環境革命)の時代に入った。

この環境革命は始まったばかりで、この事が平和な方向に向かうのか、大混乱を招くのかはわからない。
過去、地球上の歴史には2つの大きな革命があり(農業革命と産業革命)、それに続く第3の革命として今、
環境革命が始まったのだ。

この環境革命が完全に達成されるならば、故手塚治虫氏の描いたハイテク未来都市や、
ドラえもんの世界というのはまだまだ先の事になりそうだ。
だが、僕自身そんなハイテクな都市で生活するよりは、環境革命が達成された後の大自然の中で
生活する方が興味をそそられる。


おわりに

少し、難しい範囲を取り上げてみましたが環境がある上での現状が知れると思いこの事について触れて見ました。
みんな色々自分なりの意見なり、感想なりを考えてきてください。
そして、「はじめに」に書いた事を頭に置いてこれからも取り組んで行きましょう!!


~参考文献~
「自然へのまなざし」、岸由仁著、1996年7月15日発行、紀伊国屋書店

OAA環境についての勉強、担当:チョルンパ