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プログラム理論

プログラムとは・・・物事の予定。催しの番組、組み合わせ、順序、筋などを書いたもの。(「大辞林」より)

1.プログラムを立てるにあたって

これからサマーに向けて実際にプログラムを立てて行く事になるが、プログラムを
編成する上で、常に頭に置いておかねばならない事が幾つかあるので、
それをPick upして考えていこうと思う。

(1)プログラムを立てる上で考えておかねばならない事

プログラムというものは、飽く迄そのイベントの目的(コンセプト)を達成するための手段である事を
忘れてはならない。且つ、その目的の本来の意味(バックボーンとでも言おうか)をしっかりと理解し、
それに沿ったプログラムを立てるの事が重要である。でなければ、目的とプログラムとが切り離され、
キャンプ自体が言わば「砂上の楼閣」のようなものになってしまう。

(2)プログラムを立てるには

プログラム(キャンプにおいての場合)はキャンプをする人間
(ここには参加する子どもたちをはじめ、スタッフやワーカーとして参加する我々も
含まれる)の成長と、グループの成長を目的に立てなければならない。
実際、キャンプをする人間の成長とグループの成長の為の手段としてプログラムを
立てる事は口に出せば容易だが、具体的に考えていった時に個人と、
グループの成長が促進されるようなプログラムを具体的に出すのは困難である。
また、キャンプの目的というものは立派に聞こえるが、あまりにも抽象的な場合が
多い。そして、抽象的であるが故に、プログラムという具体化されるものの前では
目的が前面に押し出されない場合があるので特に注意が必要になってくる。

では、このように具体化されたものの前でも目的が前面に押し出されるような
プログラムを立てるにはどうすればいいのか。
それは、「どうすれば目的が達成されるのか」というテーマを掲げた上での議論が
最も効果的である。議論が効果的な理由としては、一人一人の意見や発言が
他のメンバーに及ぼす影響は大きく、それを具体化した上で、挑むキャンプというものは個々人だけでなく、
キャンプ全体に大きな成果をもたらすからである。
裏を返せばこれを怠った場合、キャンプの目的が不明瞭な全くもって実りの少ない
キャンプになってしまう。

以上の事から、プログラムを立てるには目的をより一層具体化する事により
決定され、スタッフやワーカーなど全ての人間が理解しておく事が必要である。

(3)でも、柔軟な考えも必要

前述した内容だとプログラムを立てるのに頭を抱えてしまいそうだが、そう悲観的になるものでもない。
プログラムは飽く迄参加者中心にキャンプの目的を活かすように計画していけばよいのである。
従って、キャンパー個々人の要求を活かす事も必要である。
このように柔軟に考え個々人の要求を基礎としてプログラムを
立てる事が、結局キャンプの目的を達成する為の近道となる事も頭に
置いておいてほしい。


2.プログラムの作成について

一重にプログラムと言ってもあまりにも漠然とし過ぎている。
ななので、プログラムの内容をある程度の項目を設けてから、
立てるのが効果的である。また、その項目内プログラムを時間順に追って
ある程度の時間の流れがイメージできた上で、具体的に考えていった方がよい。

<項目:1>
「生活面」の内容について
起床→洗面→身支度、清掃→食事→就寝
といったように先ず、項目1として「生活面」を考え、項目内プログラムを時間を追って考える。
それから、項目2として「活動面」を考えた方が効果的だろう。
「活動面」のプログラムは意見が多ければ多いほど選択肢も増え、
色んなバリエーションのキャンプをイメージする事ができる。
その出てきた意見の中からキャンプの目的を伝え、
達成する為に相応しい言わば「核」となるプログラムはどれなのか
をしっかり議論し
決定する。その上でその他の意見について議論するのが筋だろう。

「生活面」と「活動面」の内容が実際に決定したら今度は時間帯と
内容の組み合わせを考える。時間帯は内容を完結する為に必要且つ、
充分な時間を設けたほうが良い。
これもよく検討して決定する必要がある。
活動については「核」となる内容を中心に
他の内容の特徴を考えて決定していくのがよい。


3.プログラム作成の注意点

(1)プログラムは飽く迄目的達成の手段

この事は敢えて言うまでも無い。目的を達成できるベストな日程調整、組み合わせを心掛けよう。

(2)参加者の特性を予測し考慮する

ここでいう参加者の特性というのは年齢や体力だけでなく人数や経験にも大きく関わってくる。
例えば、大人数と少数ではプログラム消化に要する時間は異なるし、
年齢による体力差、男女による体力差も同様であり、経験も同じである。
これを予測せずにプログラムを立てた日には当日、
常に時間に追われ満足いく結果が得られないだけでなく、
時間に追われる事により事故或いは傷病の発生に繋がる可能性もあるので注意しよう。

(3)現場で実現可能な内容にする

当然であるが、「これをしたい!!」という気持ちが先行して実現不可能な
内容が突飛として出てくる場合があるので注意しよう。

(4)活動には時間的余裕を

プログラムに組み込みたい内容が多すぎるが故に、
プログラムを小刻みに行う事は結局、常に時間に追われる羽目になる。
時間に追われれば充分な指導が出来ないばかりか、楽しむ事すら出来なくなる。
また前述したように、時間に追われれば事故や傷病が発生し易くなるので
安全面においても重要である。

(5)内容の特性を充分把握する

これも当然だが忘れがちになる。例えば、午前中にハイキングに出かけ、昼食を挟んで
また動的な内容のプログラムを持ってくるのは無謀である。
体力の消耗は勿論、疲労も蓄積するので動的なプログラムをした後には
充分な休憩時間を持ってくる事が必要である。
それに加え午後には静的な内容のプログラムを持ってくるのが妥当だろう。

(6)指導するスタッフの人数と力量を考える

ある活動をするには最低限度の指導者(司会や内容の説明をする人間も含む)
が必要になってくる。しかし、この指導者の人数を誤ったり、
指導者が青の内容を熟知してない場合は
不手際が生じる事を忘れてはならない。

(7)キャンプだからこそ出来る内容を

これに尽きる。何もキャンプまで来てする程の事でもない内容のプログラムは避けるべきである。
そういった内容のプログラムはやはり必要ない。
現場を最大限活かし、それを素材とした内容のプログラムがやはり
子どもたちにとっても貴重な経験となり意義のあるものである。
但し、キャンプならではに固執する余り、安全面と健康面の配慮に
欠く場合があるので注意する。

(8)睡眠時間は充分に取る

これも大切である。キャンプで行われる諸活動を重要視する割に
睡眠は軽視されがちである。キャンプに参加する子どもたちというのは
我々と違って体力の消耗や疲労度が明らかに違う。
その分充分にそれらを回復する為の時間が必要である。
ましてや夏の強い陽射しを受ける事を考えると疲労度も高く、
体力の消耗も激しくなるので配慮が必要である。
目安としては小学校低学年は1日9時間半、同高学年は9時間の睡眠が
目安とされており(ちなみに成人は8時間が目安)、
就寝時間~起床時間まででこれらの時間がどうしても取れない場合は
午睡(昼寝)の時間を設けたほうがよい。

(9)悪天候時のプログラム(雨プロ)を考える

多少の雨なら晴天時と同じようにプログラムを実行する場合があるが、
大雨が降っている時や強風時はそうはいかない。
それでも強引に晴天時のプログラムを断行するというのは言語道断である。
安全面や健康面で明らかに問題が生じる。従って事前に悪天候時のプログラムを
考えておく必要がある。

(10)予算も考慮する

ごく稀だが内容によっては経費上の問題が生じる場合がある。
その場合はキャンプ自体の規模を縮小しなければならなかったりするので、
経費も考えてプログラムを立てておくのが無難である。


4.最後に

プログラムとは、計画し、実行し、評価(反省)するまでの全過程を指すものである。
どれも大切なのだが、特に評価(反省)を怠ってはならない。
これを怠る事により今後もミスの繰り返しになってしまう。
目的を持って振り返る事(ex:記録を取る等)が大切である。

これらの内容を忘れずにプログラムを立てていきましょう。
これらを忘れずに立てられたプログラムが目的達成への近道となるでしょうから・・・。

2001年4月28日 担当:めごろう、チョルンパ